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メルマガが迷惑メールに入る原因と対策|Gmailの送信者ガイドライン対応

メルマガが迷惑メールに入っていないか不安なBtoBのメルマガ担当者へ。迷惑メール688通と送信ドメインの診断から、Gmailの送信者ガイドラインの要点と、認証を整えても届かなくなる理由、対策の順番が分かります。

自社のメルマガ、ちゃんと受信トレイに届いていますか?

迷惑メールフォルダに入ったメールは、開かれません。しかも送った側には、通知もエラーも届きません。

そのため、気づかないまま配信を続けてしまいがちです。

偉そうに書きましたが、私たちも気づいていませんでした。

ある日、社内の迷惑メールフォルダを見ていて、見覚えのあるメールを見つけました。社内のメーリンググループから届いた、同僚のメールです。

原因は、私たち自身にありました。ムジンの送信ドメインは認証が壊れていて、SPFの成功率が0.00%でした。メルマガの配信を手伝う立場としては、かなり恥ずかしい発見です。

そこで、1か月のあいだに迷惑メールフォルダへ振り分けられた688通を、1通ずつ原因まで調べました。あわせて、自社の送信ドメインも診断し直しています。

この記事では、Gmailの送信者ガイドラインの要点と、メルマガが迷惑メールに入る理由、対策の順番をお伝えします。

狐

うちは送る量が少ないので、Gmailの要件は関係ないですよね?

鳩

実は関係あります。迷惑メール報告率0.3%未満は、すべての送信者が対象です。

狐

え、そうなんですか。先に要点だけ知りたいです。

この記事の要旨

  1. 1

    迷惑メール報告率は、送る量にかかわらず0.3%未満に抑える必要があります。

  2. 2

    認証に合格していても、読まれないと迷惑メールに入ります。

  3. 3

    一度落ちたメールは、ほとんど開かれません。

01

Gmailは、送る側に何を求めている?

送り手に身元の証明を求める
送り手に身元の証明を求める

Googleは2024年2月1日から、Gmail宛てにメールを送る送信者に要件を課しています。出典は、Gmailヘルプの「メール送信者のガイドライン」です。

要件は2段に分かれています。すべての送信者向けと、1日5,000件以上をGmailアカウントに送る送信者向けです。次の表にまとめました。

Gmailの送信者ガイドラインの主な要件
Gmailの送信者ガイドラインの主な要件

まず押さえておきたいのは、迷惑メール報告率の0.3%未満が「すべての送信者」の欄にあることです。

1日5,000件以上の送信者には、さらに0.10%未満を保ち、0.30%以上にならないようにすることが推奨されています。

0.1%は、1,000通に1件の報告です。思っていたより、ずっと厳しい線です。

Gmailだけではありません。米国のYahooも、同じ2024年2月から送信者に要件を課しました。送信者向けのページ「Sender Best Practices」でも、迷惑メール率は0.3%未満とされています。大量に送る送信者には、配信停止を2日以内に反映することも求めています。

SPF・DKIM・DMARCは、身元を確かめる仕組みです

認証については、すべての送信者にSPFかDKIMのどちらかが必要です。5,000件以上の送信者は、SPFとDKIMの両方に加えて、DMARCも要ります。DMARCのポリシーは「none」でも構いません。

3つとも、受信側が「このメールは本当にこの会社から出たのか」を確かめるための仕組みです。

SPFは、送信を許可するサーバーの一覧です。DKIMは、メールに付ける電子署名。DMARCは、前の2つに失敗したメールの扱いと、失敗の報告先を書いておくものです。

どれも自社ドメインのDNS(ドメインの設定を書く場所)に書き込みます。配信ツールを使っている場合は、そのツールの分も含める必要があります。

配信停止は、本文のわかりやすいリンクと、Gmailの画面からワンクリックで解除できるヘッダーの両方が求められています。

狐

じゃあ、認証の3つを整えれば、もう安心ですよね?

鳩

そう思いがちですが、迷惑メールを1通ずつ調べてみると違いました。

狐

認証に合格していても、迷惑メールに入るんですか?

鳩

はい。外部の送信者30件のうち、28件はSPFに合格していました。

02

認証は合格。それでも迷惑メールに入る

認証に合格しても迷惑メールへ
認証に合格しても迷惑メールへ

調べたのは、2026年8月6日から9月5日の30日間に迷惑メールフォルダへ振り分けられた688通(送信者89)です。

Gmailが表示する振り分けの理由を、全件確かめました。

迷惑メール688通の原因
迷惑メール688通の原因

「以前迷惑メールと判断されたメールに類似しています」という理由が、571通(69送信者)と83%を占めています。

外部の送信者30件の認証を1通ずつ見ると、28件がSPFに合格し、DMARCも大半が合格していました。認証の上では正常なメールが、迷惑メールに入っていたことになります。

読まれないメールは、やがて届かなくなる

背景にあったのは、受信者の反応です。同じメールボックスには、「メルマガ」のラベルが付いた未読が40,863件たまっていました。

送信者ごとに受信の履歴をたどると、分かりやすい例がありました。

読まれないメールが、迷惑メールに移るまで
読まれないメールが、迷惑メールに移るまで

ある送信者のメールは、受信トレイに17通届き、開かれたのは1通だけでした。その後に届いた13通は、すべて迷惑メールフォルダに入っています。

別の送信者は、受信トレイに届いた直近50通のうち46通が未読でした。その後、66通が迷惑メールフォルダに入っています。

最初は届いていたメールが、読まれないまま積み重なって迷惑メールに移っていきます。

3つの認証は、迷惑メールに入らないための最低限の条件です。その先は、受信者が開いたか、無視したか、報告したかで扱いが変わっていきます。

ほかの原因も、送る側の参考になります。

123通(20送信者)は、受信者がメルマガ用のフィルタを作っていたのに「迷惑メールにしない」の設定がなく、Gmailの判定が優先されていました。残る54通が、冒頭で触れた、ムジン自身のドメインを経由した転送メールです。

03

実は、ムジン自身の認証が壊れていた

自社の送信設定こそ点検する
自社の送信設定こそ点検する

54通の原因を追って、ムジンの送信ドメインのDNSを確かめました。問題は3つありました。

SPFは参照先の記述が二重になっていて、存在しない場所を指していました。しかも、実際にメールを送っているGoogle Workspaceが、許可の一覧に入っていませんでした。

DKIMは自社ドメインの署名鍵がなく、Googleの既定の鍵で署名されていました。そのため、DMARCの判定が成り立っていませんでした。

DMARCには、失敗の報告先が書かれていませんでした。つまり、失敗に誰も気づけない状態です。

Postmaster Toolsで見たら、SPFは0.00%

Googleが送信者向けに出している計測ツール「Postmaster Tools」に登録して、過去30日の認証成功率を見ました。

ムジンの送信ドメインの認証成功率(修正前)
ムジンの送信ドメインの認証成功率(修正前)

DKIMとDMARCは100%。でも、SPFは記録のあるすべての日で0.00%でした。

社内から送るメールが、長いあいだ認証に失敗し続けていたことになります。

2026年9月6日に、3つとも直しました。SPFは1本に書き直し、Google Workspaceと2つの配信ツールを許可の一覧に入れました。SPFには参照回数の上限が10回ありますが、修正後は3回です。

DKIMは2048ビットの鍵を作って登録し、DMARCには報告先を足しました。DNSの変更は180秒で反映されています。

作業の途中で、使っていない配信サービス向けの設定が3本、約10か月どこにも解決しないまま残っていたことも分かりました。これも、あわせて消しています。

配信ツールの初期設定を済ませても、社内の普段のメールの経路まで点検されているとは限りません。 ツールを足すたびに、SPFの一覧とDKIMの署名ドメインを見直しましょう。

SPFの一致だけが成り立たない場合もあります

ややこしいのですが、SPFの数字が低くても、すぐに壊れているとは限りません。

配信ツールによっては、メールの戻り先がツール側のドメインになります。この場合、SPFの一致は成り立ちませんが、DKIMで一致していればDMARCには合格できます。

数字が低い項目を見つけたら、設定が壊れているのか、配信ツールの仕組みでそう見えるだけなのかを切り分けてください。

ただ、DMARCを厳しい設定にしている場合は、DKIMの署名が通らなくなった途端に受信を拒否されます。厳しくするほど、署名の確認を丁寧にしてください。

狐

認証も直したし、これで一件落着ですか?

鳩

認証は入り口です。一度落ちたメールのその後も、見ておく必要があります。

狐

落ちたメールって、その後どうなるんですか?

鳩

ほとんど開かれません。迷惑メールフォルダに入ったら、そこで止まると考えたほうがいいです。

04

落ちたメールは、ほぼ開かれない

開かれないまま、箱の底にたまっていく
開かれないまま、箱の底にたまっていく

迷惑メールフォルダの688通のうち、開かれていたのは6通だけでした。

受け取る側が迷惑メールフォルダを見に行き、受信トレイへ戻してくれることは、ほとんど期待できません。

一度も受信トレイに入らない送信者もいました

履歴をさかのぼると、2つの形がありました。

1つは、さきほどの例のように、受信トレイに届いていたメールが未読のまま積み重なり、ある日から迷惑メールに移った送信者です。受信トレイで5通すべてが未読のまま、その後25通が迷惑メールに入った送信者もいました。

もう1つは、受信の履歴の最初から、一度も受信トレイに入っていない送信者です。

受信者のフィルタも、守ってはくれません

受け取る側の仕分けにも、落とし穴がありました。

振り分けのフィルタは676本作られていて、そのうち573本に「迷惑メールにしない」の設定がありませんでした。

受信者のフィルタは、迷惑メール判定を上書きしない
受信者のフィルタは、迷惑メール判定を上書きしない

フィルタでラベルを付けていても、Gmailの迷惑メール判定は上書きされません。迷惑メールに入っていた送信者のうち、フィルタがあった20送信者は、全員がこの設定なしでした。

「熱心な読者はフィルタで仕分けてくれているはず」と思っていても、読まれていなければ、やがて届かなくなります。

ここからは、今回の調査で見えた事実をもとにした、ムジンの見立てです。

読まない人に送り続けるほど、受信トレイから迷惑メールへ移るきっかけが増えます。そして迷惑メール報告が増えれば、0.3%の線に近づきます。だから、読んでいない人に送り続けないことが、届けたい人に届ける近道だと考えています。

開封率が下がり始めたら、件名を直す前に、まず届いているかを疑ってください。

▼開封率が下がったときに見る場所は、こちらの記事で詳しく書いています

メルマガの開封率が下がる本当の理由|件名よりリストを見直す

狐

やることが多すぎて、どこから手をつければいいか分かりません。

鳩

土台から順番に進めます。最初は認証、次に配信停止の導線です。

狐

文面の見直しは、後回しでいいんですか?

鳩

はい。文面は最後です。届いていなければ、読まれませんから。

05

迷惑メール対策は、この順番で

認証から順に整え、文面は最後
認証から順に整え、文面は最後

ここまでの診断をもとに、ムジンが考える対策の順番をまとめます。土台になるものから並べました。

  1. 認証を点検します。SPF・DKIM・DMARCをDNSで確かめ、Postmaster Toolsの認証の画面で成功率を見ます。0%の項目があれば、壊れているのか、配信ツールの仕組みで一致しないだけなのかを切り分けます。
  2. 配信停止を簡単にします。本文の配信停止リンクを目立つ場所に置き、ワンクリック配信停止を有効にします。停止ならリストから1人減るだけですが、報告されるとドメイン全体の評価に響きます。
  3. 反応のない宛先を整理します。長く開封のない宛先を配信対象から外します。開封は画像の読み込みで数えるので、クリックの有無も条件に入れます。
  4. 新しい宛先の入れ方を決めます。取り込む前に、届かないアドレスと過去の配信停止者を落とします。最初の1通では、なぜ届いたのかと配信停止の方法を伝えます。
  5. 送る量を急に増やさないようにします。昨日まで少なかった送信量を、いきなり何倍にもしません。
  6. Postmaster Toolsで毎週測ります。迷惑メール率が0.1%を超えた週は、新しい宛先の追加を止めるなど、決まった手を打ちます。
  7. 最後に文面を見直します。登録したときの案内と違う内容を送るなど、受け取る人の期待とずれる配信を避けます。

Postmaster Toolsの登録に要るのは、送信ドメインのDNSに確認用の記録を1本足すことだけです。

Google Search Consoleなどで所有確認を済ませているドメインなら、ムジンのように何も足さずに確認が通ることもあります。ただし、Gmail宛ての送信量が一定に届かない日は、グラフに点が出ません。

土台の認証から、順に整えてください。 まずは1の点検から始めてみませんか。

06

よくある質問

迷惑メール報告率は何%までなら大丈夫ですか?

すべての送信者に求められているのは0.3%未満です。1日5,000件以上をGmail宛てに送る場合は、0.10%未満を保ち、0.30%以上にならないようにすることが推奨されています。米国のYahooも、同じく0.3%未満を求めています。

配信ツールの迷惑メール報告が0件なら、問題ありませんか?

配信ツールの画面だけでは、問題がないとは言い切れません。Gmailが自社のメールをどう扱っているかは、Postmaster Toolsで確かめる必要があります。ムジンも、Postmaster Toolsに登録して初めて、自社のSPFの成功率が0.00%だと知りました。

一度迷惑メールに入るようになったら、戻りますか?

受け取る側が自分で戻してくれることは、ほとんど期待できません。今回の調査では、迷惑メールに入った688通のうち、開かれたのは6通でした。読んでくれている人に絞って送り、良い反応を積み直すのが現実的な道です。

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まとめ

今回調べた迷惑メールの多くは、認証に合格していました。分かれ目は、受信者に読まれていたかどうかでした。

要点をまとめます。

  • 迷惑メール報告率は、送る量にかかわらず0.3%未満が求められます。
  • 認証に合格していても、読まれないメールは迷惑メールに移っていきます。
  • 一度落ちたメールはほとんど開かれず、受信者のフィルタも守ってくれません。

私たちも、Postmaster Toolsに登録して初めて、自社のSPFが0.00%だと知りました。見えていないだけで、同じことが起きている会社は少なくないと思います。

まずは明日、送信ドメインをPostmaster Toolsに登録してみてください。それだけで、Gmailが自社のメールをどう見ているかが分かるようになります。

ムジンでは、送信ドメインの認証の点検から、迷惑メール率の計測、リストの整理まで、配信の見直しをお手伝いしています。開封率の低下や迷惑メールが気になる方は、メルマガ運用支援のページからご相談ください。

調査の方法

  • 2026年8月6日から9月5日の30日間に、89の送信者から届いて迷惑メールフォルダへ振り分けられた688通を全件集計し、振り分けの理由を確かめました。外部の送信者30件は、認証結果を1通ずつ確かめました。
  • 自社の送信ドメインは、2026年9月5日から6日にDNSを実測し、Postmaster Toolsで過去30日の認証成功率を確かめました。
  • Gmailの要件はGmailヘルプの「メール送信者のガイドライン」で、Yahooの要件は送信者向けページ「Sender Best Practices」で確かめました。
  • 全体の傾向を見るための集計で、差出企業の社名や件名・本文の実物は掲載していません。

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